バルミューダ空気清浄機

バルミューダ「EJT-1000 ジェットクリーン(JetClean)

バルミューダ、という家電ベンチャー企業から2012年11月に発売となった、同社製初の空気清浄機ジェットクリーン(JetClean)です。

この会社は、従来の扇風機より自然な風を送り出す高価な扇風機、「グリーンファン」をヒットさせたことで知られています。

今回発売の空気清浄機では、フィルターに空気を吸引する為のファンと、扇風機で特許を取った、独特の形状の送風用ファンを別々に搭載した "Wファン構造" 、そして比較的小さな本体に、広い面積を持つフィルターを収納するよう工夫された "360°フィルター" を搭載し、それらを少なくとも日本国内では前代未聞(…のはず)の特徴としています。

このジェットクリーンの適用床面積としては、〜36畳ですので、単純には日本メーカー製の空気清浄機として最大の物の1つということになります。

しかし、送風用のファンを使って強力に送りだされる空気の量は、同クラスのシャープ製(〜36畳)の約1.25倍、パナソニック製(〜36畳)の約1.35倍、ダイキン製(〜31畳=少し小さい)1.42倍程度です。それを他社のように斜め前や、後方の壁に沿わせてに送り出す訳ではなく、この製品は何と直上に風を送ります。その為、多少風力が強くても、その力は空気清浄機の後ろ側や左右に空気を送る力として分散され、空気を前方=部屋の反対側に送る力としては弱くなるように思えます。勿論、それは空気清浄機の横や後ろの空間に強い、ということを意味することにはなります。なので、空気清浄機を部屋の隅ではなく、中央付近に置く等という例外的な場合には、送風バランスはベストになるはずです。

また、この「ジェットクリーン」では、強力な送風用のファンにより、フィルター部から吸気した空気より多い量の空気を送りだす為に、送風用ファンの横 "サイドインテーク" と呼ばれる箇所からも、何とフィルターを介さない空気を直接吸い込んでいます。
その割合は運転モードによって異なりますが、比較に使われるジェットクリーニングモード(最強風量モード)では、総風量はフィルター部から吸気した量の1.7倍ということですので、この場合、この製品の放出する空気の約4割は、フィルターを介さないということになります。
やはりこの場合、単純に考えて空気の2巡目にも、その最初にフィルターを通らなかった約4割の空気中のまた約4割がフィルターを通りません。なので、部屋の空気が2巡しても、最初の約16%の空気がフィルターを通っていないということになります。

ちなみに、この製品においてフィルターを通る空気の量を、他社製同等クラス機種と比較すると、シャープ製の約75%、パナソニック製の約78%、ダイキン製の約85%ということになっています。なので、フィルターの大きさは同等で、総風量は多いというのではなく、フィルターは他より小さいのに、総風量は多いということになっています。

バルミューダとしては、このジェットクリーンでは、16畳相当の部屋内の、本体を置いた側の反対側の隅・正面に散布した疑似花粉の除去性能実験の結果として、他の大手メーカー製空気清浄機の12倍の除去性能を持つとしています。しかし、実のところ、0.3μmの微粒子の除去実験では、匿名の国内大手3社を比較対象としていますが、花粉の場合には匿名の1社しか挙げていません。(家庭用としては大型機があるのはシャープとパナソニック、そして他より少し小型になりますが、ダイキンだけですので、事実上その3社のはずです。また、非加湿での大型機があるのはシャープだけですので、他社は加湿型の非加湿モードでの話となります)

この1社は、発売発表会見の場で一種の悪例として流された映像から見ても(下のスクロールして最初に現れる2列の動画の右側。そちらの方が前方を強く吸っているようにも見えますが)、また、空気の放出が左斜めに傾くという特性から見ても、パナソニックの可能性があります(汗)。少なくとも3社は計測しているはずですが、1社しか挙げないのは都合の良いやり方に見えます。
(パナソニックだとすると、花粉を含むホコリ汚れには低い気流を使いますので、部屋の高い場所に疑似花粉を噴霧されると、余計都合が悪いかもしれません)。
しかも、そもそも、ジェットクリーンは唯一天井に直角に空気を上げていて、空気清浄機の前方に空気を飛ばす力は削がれているはずなので、圧倒的に高性能だということはないように思えます。ただ、花粉のような比較的大きな物質には、その辺りの僅かな風量の差が、吸引できるかどうかの違いとして現れる可能性は、あるのかもしれませんが。

また、0.3μmというかなり細かい微粒子の除去実験では、16畳相当空間での30分間での清浄能力を計測した "清浄空気供給能力" という数値が出されていますが、これは脱臭フィルターを付けた状態で2番目となったメーカーより約6%、3位のメーカーより約10%、4位のメーカーより約13%良い結果となっています。
このジェットクリーンでは、脱臭フィルターを取り外して使うことが可能で、その場合には約13%集塵性能が向上するとされ、その場合には更に数値が良くなりますが、それは他でも出来ない訳ではないはずです。

HEPAフィルターという0.3μm以上のチリの99.97%を捕塵することが出来ると共に、家庭用としては、そこまで必要かは微妙となる高性能フィルターがあるのですが、それを装着しているのは、比較対象となる4社の中では、バルミューダとシャープだけとなります。なので、それを考え合わせると、数値と順位はともかくとして、4社でそれ程違いはないのかもしれません。
実際のところ、適用床面積というものは、日本電機工業会規格の上で30分での一定の清浄能力があることを表すもので(詳細)、一応勝手に表記する訳ではありません。なので、それが同じであれば、基本的に性能はほぼ同じはずです。(このジェットクリーンは、本当に他より優れているのであれば、実は他よりもう少し適用床面積の大きい機種である可能性もあります)

ただし、総風量が多いとは言え、空気を直上に放出する方式で、フィルターも他より小さい上に、部屋の空気を2巡させても、(単純に計算して)最初の約16%の空気が、そして3巡させても約6.4%の空気がフィルターを通らないやり方をしているにもかかわらず、更には、最大適用床面積の半分しかない、どの社でもしっかり空気を循環させられるはずの部屋で実験を行っているにもかかわらず、このジェットクリーンがそれだけ良い数値となるのは、少し不可解ではあります。

どんな会社でも、嘘は付かなくても、自社に都合が良いよう実験をしていたり(バルミューダの今回の実験は、「新日本空調株式会社」と「安積濾紙株式会社」いう会社に依頼)、都合の良い実験結果を選んで発表している可能性はあります。実際、先程の "清浄空気供給能力" の計測では、自社だけ脱臭フィルターを外して計測して出した値を出して、他社比最大120%とやっていますし、また、ホルムアルデヒド、アンモニア、硫化水素の脱臭力の3つの実験では、よく見ると1m³という不自然に小さな空間で行い、5分や20分で99%除去と書かれていたりします。(他社の場合、イオンの効果の発表が、そういったズルさを持っていたりします)

このジェットクリーンの場合には、とにかくフィルターを通さない空気を多く出してまでも送風を強くして機体直上に噴出し、それによってフィルターを通る量の花粉・微粒子が、同クラスの他社製より多くなる仕組みで完成出来た、ということになっています。しかし、結局のところ、他社製を含めて室内全体の空気の流れを可視化して見る等しないと、私としては何とも言えません。
ただ、この製品の場合、画期的なことに空気清浄機(しかも形はお洒落)を部屋の隅ではなく、中央付近にも置けますので、その面では面白いと思います。やはり部屋の隅ではなく、人の通る中央付近で、多くホコリは舞うと思いますので。

その他の特徴としては、このジェットクリーンには、近年空気清浄機では標準装備になって来ているイオンの発生機能がありません。イオンはニオイに効くと定評なので、その面では少し物足りないです。
また、フィルターの交換の目安が1年毎となっています。"プレフィルター" という、最初に大きなホコリを取り除く目的で普通付いている、目が粗く丈夫なフィルターが、このジェットクリーンには付いていないですし、また、バルミューダには空気清浄機用フィルターの製造ノウハウはないはずなので(どこかの2流以下のメーカーに、内々に製造委託している可能性はあります)、他社よりどうしても劣ってしまうのかもしれません。ちなみに、現在10年間フィルター交換は不要だというのが、国内大手メーカー製の標準となっています。これも、やはり客観的な基準があっての数値ですので、1年はやはり短いと思います。
ただ、価格としては、日本メーカー製の非加湿型としては高いですが、部品数が何故か他より相当(2倍程度)多いという話なのと、一応デザイン家電扱いとなりますので、高い中でも、まあこんなものかな、といった所です。社員数たった20数名の会社としても、これ以上下げるのは難しいかもしれません。
お洒落だからという理由でこの機種が欲しい方には、イオンフロー50というスウェーデン製のお洒落なイオン発生機を組み合わせるのも良いと思います(^^)。

あと、集塵力で高性能だというのであれば、これよりも、日本でも販売しているスウェーデン・ブルーエア社の空気清浄機の方が、圧倒的に高性能です。そちらの場合、日本とは違って30分で1回適用床面積内を空気清浄する規格ではなく、1時間で5回、つまり30分で2.5回適用床面積内を空気清浄する規格で出来ているからです。その上で、フィルターもかなり性能の高いHEPAフィルターですので、細かいホコリを集塵する性能にも優れています。…ただ、フィルター交換の必要は何と半年に1回(その代りに何とフィルターのお手入れは不要)、価格は本体の大きさによりますが約6千円〜1万円となり、また、本体の価格も〜39畳の最大機種で、10万円越えということになっています。

色:ホワイト×ブラック(WK)のみ

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価格《最安値》RakutenYahoo!amazon― ― ―
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価格は変動します。時価は必ずリンク先にてご確認下さい。
2013年2月現在、公式サイト限定で、数量限定カラーの "ホワイト×グレー" を販売しています。また、こちらも数量限定で、公式サイトでお買い上げの方のみに、交換用フィルターセット(集塵+脱臭。通常6,800円)が特別に付属します。

運転モードジェット
クリーニング
セーブエナジーアイドリング
総風量(m³/分)10.06.64.23.01.80
清浄風量(m³/分)6.04.22.92.11.00
消費電力(W)72W30W15W10W5W4W
運転音(dB)60dB50dB40dB30dB15dB7dB以下
フィルター
未通過率(約)
40%36%31%30%44% ― ― ―
タイプ床置き用
空気清浄適用床面積〜36畳(〜60m²)
清浄時間(8畳にて統一)8分
イオン発生機能×
気流制御×
センサーホコリセンサー、ニオイセンサー
フィルターHEPAフィルター&ゼオライト+活性炭脱臭フィルター
フィルター交換の目安約1年
運転モード自動5段階切替(アイドリングモードを含み、ジェットクリーニングモードを含まず)・手動4段階切替+ジェットクリーニングモード(10分/20分/30分)
タイマー×
チャイルドロック
インバーター(多分)
質量(kg)約8.0kg
外形寸法(cm)幅25.0cm×奥行25.0cm×高さ70.0cm

  交換用フィルター

定価:6,800円(集塵+脱臭セット) /:4,800円(集塵のみ) /:3,400円(脱臭のみ) | 交換の目安:約1年

 楽天市場Yahoo!ショッピングamazon公式サイト
価格《最安値》6,800円― ― ―― ― ―6,800円

価格は変動します。時価は必ずリンク先にてご確認下さい。


関連リンク:

JetClean(ジェットクリーン)|バルミューダ(Balmuda)公式サイト