空気清浄機比較

PM2.5問題

2013年初頭現在、「PM2.5」という、中国から飛来する微粒子が問題となっています。
「PM」とは、"Particulate Matter" で、「粒子状物質」という意味を持っており、また、「2.5」とは、2.5μm以下を意味しています。

ただし、厳密には、

例えば,PM2.5は空気力学径が2.5μm以下の粒子のことである。ただし,測定原理上2.5μm以下の粒子といっても,2.5μm以下の粒子を100%含み,2.5μmを越える粒子は全く含まれないというものではない。粒径別の捕集効率は図のような曲線となっており,PM2.5は捕集効率が50%となる空気力学径が2.5μm となる粒子のことである
(by 国立環境研究所)

つまり、「PM2.5」とは、2.5μmの粒子を50%含む微粒子群のことを指すようです。なので、恐らく残りの50%は、それ以下の大きさの物とそれ以上の大きさの物が、半々ということになるのでしょう。

この2.5μmとは、具体的には髪の毛の約1/30程度の大きさを意味します。その為、これら粒子は、肺の奥深くまで入り込みやすいとされています。

また、この物質は、そのように単に微粒子を意味していますので、単に最近中国からの飛来が話題となっているだけで、それ自体はどこにでもある物です。

環境省によると、主な発生源はボイラーや焼却炉といったすすや煙を発する工場や、自動車の排ガス。中国に限らずわが国でも発生しており、平成21年に国の環境基準(大気1立方メートル当たり1日平均で35マイクログラム以下)が定められた。

 22年度の観測では、住宅地などの「一般大気汚染測定局」のうち、データが得られた34局中で11局しか基準値以下を達成できていない。幹線道路沿いにある「自動車排出ガス測定局」に至っては12局で1局のみ。環境省幹部は「中国からの影響だけでなく国内の問題もある」と話す。
(by 産経新聞)

国の定めた基準(1日平均で35μg以下で、かつ1年平均で15μg以下という少し不思議なもの[読売新聞])というのは、
「環境基準は健康を保護する上で維持されることが望ましい値。超過しても直ちに健康に影響が現れない」(茨城新聞)
という話ですので、普通の人には多少余裕を持って定めてあるとみて良いはずです。
しかし、日本でも、少なくとも住宅地や幹線道路沿いでは、その定められた基準を下回るケースは、残念ながら少ないようです。幹線道路沿いでジョギングをすると、肺の中が真っ黒になりそうですが、やはり止めておいた方が良いのではないでしょうか。

それはともかく、

 Q. いつも中国から日本に来ているのかな。

 A. 日本国内でも都市部を中心に、ディーゼル車の排ガスなどから発生しています。海洋研究開発機構(かいようけんきゅうかいはつきこう)の試算によると、中国・四国・九州地方では、1年間に観測されるPM2・5の5割程度、関東地方は約3割が中国から運ばれていると考えられています。
(by 質問なるほドリ/毎日新聞」)

…という訳で、日本国内発生分が一番多いにしても、やはりかなりの割合が中国から飛来していることになります(笑)。中国からの分がなくなれば、国の基準を下回る観測地点が多くなるのではないでしょうか。

また、実のところ、

中国に深刻な大気汚染をもたらしている有害な微小粒子状物質「PM2・5」が日本各地に飛来し、健康への不安が高まっている。だが、実は日本への飛来は10年以上前に始まっており、今冬も平年並みの見通しだ。呼吸器などに持病がある人は注意が必要との指摘もあるが、直ちに悪影響はなく、専門家は冷静な対応を呼び掛けている。
《中略》
国内での急激な不安の高まりについては「PM2・5が一般に知られていない中で、中国の汚染状況がショッキングに伝えられたためだろう」と話す。
(by 産経新聞)

…という訳で、現在メディアが騒いでいるのは、安易に刺激的な話題に飛びついて、今年は平年並み、つまりこれは、毎年の話だということを知らないでいることもあるようです (^^;。

環境省はこの日、PM2・5への対応について自治体と情報共有するため各都道府県や政令市など約130自治体が参加する連絡会を初めて開催。
《中略》
(専門家)会合では判断基準について、速やかに対応できるよう1時間ごとの測定値を使うべきだとの意見が大勢を占めた。さらに、心臓や肺に疾患があり、大気汚染の影響を受けやすい人に配慮するなどの案も出た。

 すでに、自治体からは「行政が注意喚起すると、運動会中止のように過敏に受け取られることが多い。科学的知見に基づいて作ってほしい」(北九州市)などの要望が寄せられている
(by 毎日新聞)

この反応を見る限り、環境省はやはりメディアに煽られて連絡会を初めて開いており、専門家会合もメディアに釣られているようで、被害当事者の自治体の一つである、北九州市の方が冷静のようです(笑)。

尚、このPM2.5の、現在のその時々での濃度については、環境省の大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」にて公表されています(アンドロイド用アプリもあります)
ただ、そらまめ君は、若干分かりにくく、また、繋がりにくくもあるので・・・九州大学応用力学研究所が毎日発表している、簡易的な表をまず見てみるのがお勧めです。

そもそも、この「PM2.5」が騒がれる理由、つまり人体への影響としては、

PM2.5が多いと、心臓病や喘息、肺ガンなどが増え、死亡率が高まることがわかっている。米国ガン協会コホートの2002年の調査によると、PM2.5が1立方メートルに付き10マイクログラム増えれば、心臓や肺の病気の死亡率が9%、肺ガン死亡率が14%、全死亡率が6%増えるという
(by 大紀元)
短期的には、気管支ぜんそくや心臓病などの基礎疾患を持つ人が発作を起こしやすくなったり、症状が悪化したりします
(by 毎日新聞)

…となっています。先程の産経新聞の記事には、平成22年度のデータとして住宅地や幹線道路沿いで国の基準を下回る観測地点は少ないとありましたので、少々心配です。しかし、大気汚染防止法に基づく規制により、ここ10年の平均濃度は減少傾向になることもあるのか(環境省)、平成25年現在、環境省としては、

健康への影響について、環境省大気環境課は「今のところ各地で基準値を超えるのは一時的なもので、長期間は継続していないため、直ちに影響はない」との見解を示している。

 ただ、影響がないのはあくまで健康な人で、呼吸器や循環器に疾患がある人は、濃度が高い日の外出を控えるなどの注意が必要との指摘もある。このため環境省は13日、専門家による検討会を急遽(きゅうきょ)設置
(by 産経新聞)

ということになっています。なので、それらの持病があるならともかく、何もない方は、対策()を取るにしても、現状ではあくまで冷静であるべきでしょう。

ちなみに、タバコの場合だと、タールやニコチンといった有害物質が含まれますので、単純比較は出来ませんが、喫煙者の場合には、非喫煙者に比べて、肺がんや心疾患等での全死亡率が、男性で約55%増、女性で約80%増となっています(政府広報オンライン)。なので、PM2.5が1立方メートル当たり、約110μg程度増えたのと、一応同等の結果ということになるはずです(国の基準値は、1日平均35μg以下で、1年平均で15μg以下。1日平均70μg超で、外出自粛の呼びかけが行われます)。

世界保健機構は、1立方メートルに付き25マイクログラム未満を推薦している。アメリカ環境保護庁は、40までが「許容範囲」とし、66以上で「危険:一般の人々に呼吸器病状が表れる」、251以上で「緊急事態:心臓や肺の悪い人、お年寄りの病状は著しく重くなり、死亡率も高まる」としている
(by 大紀元)

2013年1月に北京市で観測されたPM2.5は、1日平均400μgを超えたという話です(読売新聞)
なので、日本の現在の1日平均が15μgだとすると、10μg増えるにつれて全死亡率が6%増という話でしたので、385μg増で、全死亡率は231%増ということになります。もはや北京市民全体が、ヘビースモーカー状態です(汗)。

このPM2.5はタバコの煙にも含まれていて、部屋の中に喫煙者がいた場合、その部屋は200〜700μg/立方メートルに達することもあり、中国と問題となっている汚染濃度と変わらないのです

実は、喫煙者がいる窓を締め切った部屋や車に乗っている方がよほど危険なのかもしれません。
(by NESポストセブン)

と、当の中国国内の「PM2.5」は、濃度として、タバコの受動喫煙と同じ位なのだという話もあります。
しかし、タバコの場合には、ヘビースモーカーでもない限り、ずっとその汚れた空気の中にいる訳ではなく、PM2.5の場合には、対策をしなければ、基本的にずっと吸い続けることになるという違いがあります。PM2.5は相当細かいので、自然と家の中にも入ってきてしまうのです。なので、実際のところ、一時的な受動喫煙とは、簡単には比べられないと思います。
もっとも、タバコには有害なタールやニコチンを含まれますので、そちらはそちらで一時的であれ、単純なPM2.5よりもっと有害なはずですが。

ところで、このPM2.5は、花粉や黄砂等と重なると厄介となる物でもあるようです。しかし、花粉は花粉で前年度の数倍ともなれば、それこそ花粉症患者の方々にとっては、大問題なのではないかと思います。
また、黄砂は、単に黄砂だけでなく、中国上空の有害な重金属の粒子を付着させて飛来するのが、以前から知られていましたので(⇒「閑想閑話:東京の知人たちから…/島根/毎日新聞」)、そちらはそちらで元々大問題です。
そして、日本での「PM2.5」の中国からの飛来量は、先程も出ましたが、あくまで平年並みだという話です。なので、以下の話も、ここ数年毎年問題となっているはずの話です

埼玉大学の王青躍准教授はPM2・5による花粉症悪化についてこう解説する。「PM2.5が花粉と反応をして収縮を繰り返し、より粒子の細かいPM1.0となり肺の奥まで入り込みます

原元美紀リポーター「肺の奥まで入り込んだPM1・0は人体の免疫力低下をもたらし、より深刻なアレルギー症状を引き起こすそうです」
(by J-CAST)
(PM2.5は)体内に入り込みやすく、肺がんリスクを増加させるほか、アレルギー症状を悪化させる。スギ花粉が引き起こした花粉症を、PM2・5がより重症化させるというダブルパンチとなるため、専門家は注意を呼び掛ける
(by スポニチ)
今年1月に濃度が環境基準値を上回った程度は昨年1月とほぼ同じだったと評価した。
 しかし、飛来量は気象条件に左右されるため、春にかけては中国から黄砂とともに飛んで来たり、西日本での光化学スモッグ発生が重なったりした場合に、呼吸器疾患の患者や高齢者、小さい子どもは注意が必要と考えられるという。
(by 時事通信)
3月頃になると、PM2.5の発生源である都市部よりも内陸の砂漠地帯などから、偏西風に乗って黄砂がやってきます。それにより空気中に漂う物質の量が一気に増え、よりいっそう呼吸器などに負担をかけることになるんです。しかも、黄砂の時期は長くなっていて、最近では5月の終わりまで続く
(by NEWSポストセブン)

より重い黄砂の飛来が5月末まで続くのであれば、PM2.5も、少なくともその位までは、多く飛来することになるでしょう。

この大気層は気象条件に応じて日本へ移動する。顕著なのは3〜6月で、東へ向かう春の移動性高気圧に運ばれてやって来る。北西の風が吹く冬場は時々来る程度で、南風が多い夏場は一番少ない。
(by 産経新聞)

…という訳で、3〜6月がピークで、それ以外は意外と来ないようですが。

実は中国には、PM2.5問題とは別に『がん村、247カ所も実際は「はるかに超える」(大紀元)』という深刻な話もありまして、

北京の100以上の河川のうち、水源として使えるのは2〜3しかなく、そのほかは涸れたか排水や廃棄物で汚染されたか、と深刻な状況
《中略》
中国の9割の地下水が汚染され、うち6割は重度に汚染されているという中国地質調査局の専門家の話も話題になった。新華網が118都市の地下水を調査したところ、64%の都市の地下水がひどく汚染され、ほぼ正常なのは3%しかないとも報じている

だとされています。
北京で、ミネラルウォーター(飲料水)を買わずに生活している人が、どれだけいるかは分かりませんが、最高に危険です。
これらは、中国人は都会・田舎の区別なく、目先の利益のためにわざとやっているよう、しかも、悪質なことに高圧ポンプで汚染水を地下に押し込むことまでしているようなので(⇒「井戸を掘って工場廃水を地下に注入する汚染企業」)、どうにも救いようがありません。

更に、中国には元々先に出た空気中を漂う有毒な重金属粒子や、その他有害物質(⇒「超有害な黄砂が日本に降り注ぐ(東スポWeb)」)、そして、締め切った室内にも降り積もるという黄砂の問題もありますので、何が原因で病気になったか、死亡したかは、一概には言えない状況です。少なくとも中国の大都市部は、もはや人の住める場所ではないでしょう(汗)。
宮崎駿氏のアニメ映画「風の谷のナウシカ」に出てきた、猛毒を放つ植物群による "腐海" は、化学物質で汚染され尽くした大地を浄化する為に、実は人為的に作られた物であることが後半明かされますが、いずれ本当にそうしないと、中国の浄化は無理になるのではないでしょうか(汗)。

以下は、PM2.5関連の、その他の興味深いニュースです。

 春節 恒例の爆竹・花火 PM2.5 一時「最悪」[800μg/m³ 2013.2.10](東京新聞)
 [元宵節]PM2.5、日本の環境基準の31倍 中国・太原[1,100μg/m³ 2013.2.24](産経新聞)
 [平日午前]中国・北京のPM2.5、日本の環境基準の約15倍に[510μg/m³ 2031.2.28](MBS毎日)
 中国、都会でバーベキュー禁止? 草案にPM2.5大幅削減明記(産経新聞)
 通じぬ日本の善意 PM2.5対策の申し出に難色… 迷惑な中国(ZAKZAK)
 「大気汚染だけでなく、喫煙者がPM2.5で肺がんなどのリスクを高めていることも知るべきだ」禁煙推進学術ネットが会見(神戸新聞)
 PM2.5、基準2倍超[70μg超]で外出自粛呼び掛け 環境省(日経新聞)

マスクや空気清浄機での対策について

個人としてはどんな対策が取れるのだろうか。駐北京日本大使館が2013年2月6日におこなった在中日本人向けの説明会では、(1)PM2.5の数値が高い時はなるべく外出を避けて屋内にいる、(2)「N95タイプ」のマスクを着用することが勧められていた。
「N95タイプ」とは、防塵用のマスクで、0.3マイクロメートルの粒子を95%以上防ぐとされる。
「N95タイプ」はホームセンターなどで入手できる。
(「「J-CAST」)

「N95」は、さすがに普通のマスクより息苦しいという話です。しかも、0.3μmの粒子を95%以上防げるだけでは、「PM2.5」には十二分とは言えません。また、それでなくても、マスクには、余程の物でなければ、結局顔と接触する部分での空気漏れがあるはずです(⇒「あなたを守るはずの「N95マスク」本当に大丈夫か/日経メディカル」)。なので、マスクで「PM2.5」の侵入を完全に防ぐのは、無理だと言えます。
しかし、体内に入る量を減らせるのは確かなはずなので、対策をしたい場合には、ないよりはずっと良いでしょう。「N95」という規格のマスクは、ネット上でもそう高くはない価格で購入できます。⇒楽天Yahoo!ショッピングamazon

空気清浄機の場合には「PM2.5」は、0.3μm以上のホコリを99.97%捕塵出来るHEPAフィルターであれば、理論上は殆ど捕塵可能のはずです。また、HEPAフィルターが付いていなくても、まともな空気清浄機であれば、0.3μm以上のホコリの99.数%を捕塵可能のはずですが・・・パナソニックの2012年度型の空気清浄機(非HEPA)が、PM2.5を97〜99%除去するとして、中国で2013年に表彰されたという話です。(⇒「表彰された機種一覧」)
東芝によれば、1μmの粒子が2m降下するのには、8時間かかるそうですが、5μmとなると僅か19分となるそうです。なので、実験時間の1時間(1機種のみ3時間)の間に、PM2.5に含まれる中でも一番大きな粒子は、床に落ちてしまうのかもしれません。
ただ、PM2.5の中でも、ディーゼル排気微粒子は、大部分が粒径0.1〜0.3μmだという話(⇒「EICネット」)ですので、とりあえずHEPAフィルターを装備した製品にしておくのが、無難と言えば無難です。
尚、HEPAフィルターでは、0.1μメートルのチリを捕塵出来ない訳ではなく、ブルーエア社の製品では、0.1μメートル以上のチリの99.97%を捕塵可能だと公表しています。その他の製品でも、HEPAフィルターが付いていれば、少なくともその90数%を捕塵出来るのではないかと思います。「PM2.5」の中でも、0.3μメートル以下の粒子というのは、あっても少ないでしょうから、それで十分と考えても良いのではないでしょうか。
ただし、当前と言えば当前ですが、空気清浄機が微粒子を吸い込む前に、人間が吸ってしまうケースも相当多くあるはずです。なので、幾ら高性能な空気清浄機を用意しても、それで完全に「PM2.5」を防げるわけではありません。しかし、日本国内程度の濃度であれば、空気清浄機を設置すれば、室内を基準値以下の濃度にするのは、問題なく出来るのではないでしょうか。

(⇒「HEPAフィルターのついた空気清浄機」) 


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