除湿機の選び方

除湿方式

まず、除湿機の基礎知識として、除湿の仕組みには2種類+その両用式(ハイブリッド方式)の3種類があります。

  • コンプレッサー方式
  • デシカント方式
  • ハイブリッド方式

コンプレッサー方式とは、エアコンと同じです。冷却機で除湿をしますが(室外機がありませんので、熱は全て室内に放出されます)、低温時、つまり冬場には、性能が著しく落ちます。

デシカント方式(=ゼオライト方式)というのは、除湿剤式です。空気を除湿剤を含ませたフィルターを通すことにより湿気を抜き取り、そのフィルターをヒーターで暖めて取り込んだ水分を取り出します。そのため、室温が上がりやすく、夏場には少々問題となります(コンプレッサー式で2〜4℃、デシカント式で3〜6℃程度らしいです)。また、コンプレッサー式と比べて消費電力も高めとなる、つまり電気代は比較的高めとなります。

現在パナソニックでのみ採用されているハイブリッド方式では、基本としてコンプレッサーで運用するようですが、性能の落ちる低温時には、デシカント式として使用します。一見万能に見えますが、勿論その分価格も重量もかさみます。

ただ、勿論一番無難なのはハイブリッド式です。大きさが大きい分には、当然除湿能力は高くなりますので、予算に余裕のある方は、是非お買い求め下さい。

使用可能温度

除湿機には使用可能温度が定められています。

摂氏零度(±0度)になってしまうと、除湿した水が機器内で凍り、除湿に支障を来たします。なので、除湿機ではどんな機種でも、1℃以上でしか使用できないとされています。

それは、言われてみれば誰にでも分かりやすいのですが、分かりにくいのはコンプレッサー式に関してです。

実はシャープ、東芝、コロナといったメーカーでは5℃以上、更には三菱製では7℃以上でと定められている、コンプレッサー式の機種が存在しています。コンプレッサー式だと、方式的に寒い冬場には弱いのですが、それらだと、特に問題があると言えるでしょう。

なので、冬場に使用する予定のある方は、その点にも注意した方が良いでしょう。

空気清浄機とどう違う?

実のところ、除湿機にもフィルターはありますので、大雑把な空気清浄機の機能は持っています。ただ、勿論空気清浄が本職ではありませんので、例えば花粉症対策に利用したりというのには、少し無理があると思います(ないよりはマシかと思えますが)。

また、空気清浄機にはホコリセンサーやニオイセンサーがありますが、除湿機にはそうした機能はありません。

尚、空気清浄機と加湿器と除湿機が一体となった「除加湿清浄機」、もしくは「多機能空気清浄機」と呼ばれる製品も現在発売されています。除湿の有効面積はそれ程広くないのですが、全部欲しい方にはちょうど良いかもしれません。複数台あると邪魔ですし、また、季節ごとに出し入れするのは面倒ですので。

連続排水

加湿機では加湿水がなくなると加湿が出来なくなるのと同様に、除湿機では除湿水用のタンクが一杯になると、それ以上の除湿が出来なくなります。

しかし、市販のホースをつなぎ、本体の水タンクを使用せずに他のもっと大きな容器に水を貯めることで、より長い時間の連続運転が可能となります。これを「連続排水」と言います。

とりあえず、三菱製東芝製、及びコロナ製の一部ではそれが可能となっています。(機種一覧)

とんでもなく湿気の高いところに住んでいらっしゃる方や、梅雨時に大家族の洗濯物を夜中に乾かすような方には、良いのかもしれません(普通は必要ないと思いますが)。

また、実は例外品として、連続排水のみを行うダイキン製「JTK10BS」という製品も存在します。ただ、これは正確には連続排水ではなく、湿気を水化することなく、高湿度の空気としてそのまま屋外に排出します。その為、本体と屋外とをつなぐ配管工事が必要となります。これは、主には無人の別荘や、地下室で使用される製品です。

衣類乾燥時間の定義

除湿機の性能の目安として、衣類乾燥時間というものが各メーカーで表示されていますが、これの定義は基本的に、

  • 部屋の広さ:6畳
  • 気象条件:室温20℃、湿度70%
  • 運転モード:各機種の最強モード(60Hzで稼働時)
  • 衣類の量:2kg相当(Tシャツ3枚、Yシャツ2枚、パジャマ1枚、下着7枚、靴下2足、タオル3枚、のどれか)

ということになります(たまに違う基準で計っていたりするので厄介です)。一日当たりの除湿能力が同じでも、衣類乾燥時間に差が出る場合は、風量や衣類への風の当て方が問題となるのかもしれません。

イオン発生機能

空気清浄機系列の製品やドライヤー、果ては冷蔵庫まで、シャープのプラズマクラスターイオンや、パナソニックのナノイー、三洋電機のウィルスウォッシャー等の、イオン発生機能を備えた家電が現在流行っています。そして実は、除湿機でもイオン発生機能を備えた製品が登場してきています。

実はイオンと除湿機は相性が良く、除湿の一つの目的であるであるはずのカビを抑制できますし、また、部屋干しした衣類を乾燥させるだけでなく、部屋干しでの衣類臭の発生を低減させることが出来ます。

イオン発生装置が搭載されている製品は、パナソニックシャープコロナの一部の機種となります。ただ、コロナ製については、単なる怪しげなイメージのイオンと同一の物かもしれませんので(笑)、効果を期待して買うのはあまりお勧めできません。

一応言っておきますと、これらのイオンは、吸っても健康に良いということは一切ありません。また、逆に安全性に問題があるということも、メーカーの話によると一切ないようです。あくまで、ニオイや菌に効くというのが主な性格となっています。

尚、専用のイオン発生機と併用するという方法もない訳ではありません。その場合には、勿論イオン発生機のみ(持ち運んで)使用することが可能ですので、別なら別で、便利な面もあると言えるでしょう。

(除湿機を使えば、普通はカビも衣類臭も抑制できますので、別になくても大丈夫です ^^;。ただ、カビの生えやすい部屋にイオン発生機を置いてみるというのは、有りだと思います。…増殖を抑えるとされるだけで、既に生えているカビには効きませんが。)

冷風機能

コンプレッサー式の一部の機種では、その仕組みを利用して、エアコンのように冷風を出すことが可能です。( ⇒「コンビニクーラー」)

しかし、これは単に冷風を出すことが可能、という程度の中途半端な機能で、今後扇風機に取って代わるようなものではありません。なので、特に欲しい理由がなければ、考える必要はないはずです。

電気代

除湿機の電気代は、実のところかなり高いです。1kW(1000W)当たりの電気代の目安は現在約22円とされ、適用床面積の狭い小型機種でも200W程度は消費しますので、その場合、1時間当たりの電気代は約4.5円となります。

機種にもよりますが、"衣類乾燥(専用)モード" がある場合には、大抵それイコール(=)除湿のターボモードを意味します。2kgの衣類乾燥時間が、驚異の約45分を誇るパナソニックの最上位機種だと、725W消費しますので、1時間当たり約16円、ただし、45分で一応終了なので、その場合約12円ということになります。
(最新機種の電気代の目安に関しては、分かる範囲で、機種別のページに書いてあります。同等クラスの製品で比較するとコロナ社製[ヒーター付機種の場合はヒーターOFF時]が多少消費電力が低く、その次が一応パナソニック[通常除湿時]です。)

また、デシカント式とコンプレッサー式では、コンプレッサー式の方が安いです。具体的にどの程度違うのかというと、両方の方式で似た大きさの機種を販売している東芝製デシカント式「RAD-DN70」と、コンプレッサー式「RAD-N63」が一応参考になります。

まず、デシカント側(「RAD-DN70」)の最大消費電力が362W、コンプレッサー側(「RAD-N63」)の同数値が215Wですが、デシカント側の適用床面積が18畳であるのに対し、コンプレッサー側は16畳なので、とりあえずデシカント側を16畳相当の数値に直します。

362÷18×16=約322W。これをコンプレッサーの215Wと比べると、丁度その約1.5倍となります。なので、妙にキリが良いですが、ここからは、デシカント式はコンプレッサー式の約1.5倍の消費電力ということになります。ただし、それでもコンプレッサー式は冬場に弱いので、冬場に使うなら、やはりデシカント式の方が良いはずですが。

ちなみに、空気清浄機の場合、"強モード" でもせいぜい50Wしか消費しません。しかも、実際お使いの方ならお分かりと思いますが、"強モード" を使う時等殆どなく、大抵 "弱モード" で稼動し続けます。その場合の消費電力は5W程度、その1時間当たりの電気代は、0.1円程度に過ぎません。


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